京洛万華鏡

2022/03/01

時は現代。年号にして令和である。

場所は古都と言われて久しい京都。

そこにお店を構えるは漆黒の外装に側面の三角スリードットの目印が鈍く光る「数奇」なお店の話。

 

 

街行く人は達磨のように丸くなり、冷えた空気が肌を刺してくる。思わず吐いた息が煙草の煙のようとなって消えていくそんな季節。二月。

 

 

河原町通りから少し離れた「数奇」なお店は1年に2度、熱狂的で奥深いお祭りが始まるのである。

全世界の最先端を洋服に詰め込んだなんとも酔狂で熱狂でお店の象徴となる見本市が始まる。

そんな見本市の4日間を書いていこうと思う。

 

欧州や欧米と言った世界を股にかけ最高級生地を使い、日本の職人が縫う。はたまた世に存在しないものを実現し新奇、奇抜、独特、斬新と言った洋服を仕立ててゆく。

挙げ句の果てに1世紀以上前の古生地を仕入れ丹念に自社自慢のお針子が洋服に仕立てる。これを「数奇」と言わずしてなんと言おうか。

 

 

先に言ったような洋服達勢揃いする祭典が始まっているそう。日本各地の酔狂で熱狂な愛好家が京都に集まるのはそのせいである。

 

 

店内は祇園祭のような趣ある雰囲気と蚤の市に似た活気ある雰囲気に包まれている。

店内の雰囲気に圧倒される者。店員と親しげに会話する者。子供を連れ団欒の幸せをお裾分けする者。熟考し過ぎて疑心暗鬼になる者。と言った三者三様である。

 

 

今回は以前にも増して手塩にかけた洋服が多く、参加者もどれから手をつけて良いか決めかねており喫茶店でコーヒー一杯で粘る今時の女子のように時間を掛けている。

それもそのはず、前回に比べ1.4倍の商品数があるのだから。全国各店の店員も決めかねているのが実情。その道のプロが即決できないものが一般人に決めれるはずがないのだ。

 

 

その辺り数奇なお店には優雅で優美、優艶な店員が多く、参加者もその事を知っている。今時の女子よりも時間を費やそうとも満足のいく答えが出るまで観覧できるのである。

 

 

こんなに熟考をしても面白いのがそこで目当ての物が有っても、ある日突然に歯牙にも掛けていなかった物が欲しくなる、なんともまあ奇奇怪怪な事が起こるのも「数奇」なお店の日常である。

 

 

ここまで「数奇」なお店の祭典をつらつらと述べてきたが、できることなら一眼みていただきたい。こんなにも特殊で特異な催事は中々お目にかかれない。お手隙の際は一見の価値ありだと思う。

 

 

次の開催は夏頃を予定しているそう。この冬来れなかった方は夏に訪れる事をお勧めします。

 

 

 

Porter Classic EXHIBITION

 

 

 

 

全国各地の「数奇」なお店を統括する圧倒的な紳士親子に会えるかもしれません。

 

 

では半年後にお祭り騒ぎのお店にて。

福山